漆の器ができるまで | Process of “Urushi”
漆は一度固まると水・熱・酸・アルカリにとても強く、抗菌効果もある天然の素材で、
日本では9000年以上前から接着剤や塗料として使われてきました。
人と環境に優しい、これからの時代にピッタリな漆を使った
Urushi no Irodoriの漆器制作工程をご紹介します。
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漆の採取 | Urushi
漆はウルシノキに傷をつけてにじみ出てくる樹液です。
少しずつ採取した漆を濾して木屑などを取り除いたものを生漆(きうるし)といます。 -
精製 | Purification
生漆を低温の熱を加えながらゆっくり攪拌します。(ナヤシ・クロメ)こうすることで肉持ちの良い半透明の飴色の漆になります。この漆を透漆(すきうるし)といいます。
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木地 | Wooden basis
轆轤の産地である石川県山中で木地を制作していただきます。職人がケヤキの木をひとつひとつ丁寧にカンナで挽いて制作します。
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下地 | Base coating
木地に生漆をたっぷりしみ込ませ、さらにサビ漆(砥粉+生漆)を木の導管に入れて木地を丈夫にします。
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研ぎ | Sharpen
硬化後にサンドペーパーで水研ぎをして木地の肌を整えます。研ぎは塗りの工程を綺麗に仕上げる為の大事な工程です。
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色漆 | Coloring
透漆に青・緑などのレーキ顔料を混ぜ、よく練り合わせて色漆を作ります。レーキ顔料は酸化チタンの粉に色をつけた顔料です。
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上塗 | Finish
ひとつひとつ丁寧に刷毛で上塗し、ゆっくりと時間をかけて硬化させると完成です。このように木目や刷毛目をいかした技法を「掻合せ」といいます。